来たる11月4日(土)、岡山県新見市で娘がお世話になっている三光社の神楽を筆頭に地域の4つの神楽が終結。ちなみにこの日11月4日は、ユネスコ憲章記念日。地域の文化遺産を後世につなげることも大切な要因ですが、そもそも神楽ってなんだ?ってことやその起源について触れてみたい。
神人和楽(しんじんわらく)の神事、神楽
神楽は神にささげられる日本の伝統的な舞楽および音楽の一形態であり、神聖な儀式や祭りで神をまつるほか、豊作を願ったり、災厄をはらったりすることを目的に演じられる舞踊や音楽を指すのですが、わかりやすく言うと、神霊の降臨する場所=神座(かむくら)に神を招き、神の力を招き鎮めることによって、生命力を高めようとする儀式として、神と人とが共に喜びや楽しむことによって神の力を得ようとする神人和楽(しんじんわらく)の神事です。 私も実際に見て知ったのですが、神楽って笑いありアクションありの楽しいエンターテイメント的側面があって、おごそかな神事のイメージが一周に払拭されるような、演者も観客も一体となって楽しめるものだったりします。まさに、神人和楽(しんじんわらく)の神事! ※ 神座:神道においては、神社の本殿奥、つまり神霊が依り着くとされる物を神体として安置し、注連縄(しめなわ)などの装飾がなされいる場所
神楽の起源は?
石清水八幡宮の御神楽(みかぐら):石清水八幡宮公式FBより https://onl.bz/ng9kUPQ ちなみに神楽の儀式の起源は諸説あるが、「天岩戸(あまのいわと)伝説」とも呼ばれる古代の神話や説話にまで遡るとされています。この「天岩戸伝説」については約1300年ほど前に書かれたとされる「古事記」に詳細に記されており、ここを起源とするなら、初代天皇、神武天皇以前の話となり、神武天皇の即位、紀元前660年頃という説からすれば、2700年以上も前の話になる。ただ、神楽の文字が使われ出した石清水(いわしみず)八幡宮の初卯の神楽や、賀茂神社臨時祭の還立(かえりだち)の神楽を起源とすると、9世紀末から10世紀初頭、約1100年前までさかのぼることになります。そして、このころの神楽は御神楽(みかぐら)と呼ぶそうで、御本殿(おほんでん)の舞殿(まいでん)では、庭燎(ていりょう)と呼ばれるかがり火が焚かれ、厳かな雰囲気の中、神聖な宴(うたげ)舞を舞う舞人(まいびと)と楽器を奏でる楽人(がくにん)が神楽を執り行っていました。当時は、神や人々が共に神聖な時間を過ごすことができる瞬間を分かち合うものだったようで、大自然の中の尊い生命を共に喜び合う神聖な儀式といったものだったのかもしれません。 こういった宮中の御神楽(みかぐら)に対し、各地の神社や民間で行われる神楽。それが次第に民衆にも広がったのが、今回のイベントのような現在各所に広まる里神楽になります。
民衆の神楽、里神楽(さとかぐら)
里神楽、つまり民間の神楽は全国津々浦々に散在し、おびただしい数にのぼります。現在でも全国に継承される多くの里神楽は、いつごろ民間で神楽が行われるようになったのか、その起源ははっきりしていないようです。 このように、全国に広まる過程で「里神楽」にも独自性や地域性が反映され、いくつかの形態を紹介すると、 ●巫女たちが優雅に歌舞を舞う「巫女神楽」 ●杖や弓のほか剣や鉾を持って舞う「採物神楽」 ●神前の大釜に湯を沸かし巫女が笹を振りつつ湯を周りに振りかける清め祓いの行事である「湯立」と結びついた「湯立神楽」「伊勢流神楽」
●獅子頭を神体として祈祷やお払いを行う獅子舞の一種である「獅子神楽」
●七座(直面の採物舞)、式三番(能楽から取り入れた舞)、神能(神話劇)の三段構成が特徴の「出雲流神楽」
●江戸時代に行われていた「五行思想」などにもとづく儀式舞いを発展させて、ストーリー性を強めた「石見神楽」
など様々な種類が存在します。
今回公演の神代神楽(じんだいかぐら)、備中神楽を知っておこう!
特に、岡山県の北西部、ここ新見市を含む備中地方では、家や部落、農耕などに使用する牛馬の守り神=荒神様の魂を安らげ、五穀豊穣と、家内安全を祈るために神職のみが行っていた「荒神神楽」が奉納されていましたが、これは、神事に近いものでした。
それが、江戸末期に入り、隣町の高梁市出身で京都で国学を学んでいた西林国橋が、旧来の荒神神楽に古事記・日本書紀・古今和歌集などを参考に、能・狂言・歌舞伎など成熟しつつある芸能を取り入れ、これまでよりも演芸性の高い「天の岩戸開き(いわとびらき)」「国譲り(くにゆずり)」「大蛇退治(おろちたいじ)」の3篇からなる「神代神楽(じんだいかぐら)」を加えた「備中神楽」を完成させ、それまで神職のみが行っていたものを神職外の者によって奉納されるようになりました。
1979年2月24日には、国の重要無形民俗文化財に指定され、今なお、地元の子供たちに引き継がれ、結婚式や、建物の竣工式など、いろんな場面で奉納されています。 今回のイベントは、この備中神楽、そして神代神楽の演目から、「天の岩戸開きの能」「国譲りの能」「八重垣の能」などが披露されます。そこで、この3つの能について詳しく解説。 1.「天の岩戸開き」
登場の神々
1.天児屋根命(アマノコヤネノミコト)
2.天太玉命(アマノフトダマノミコト)
3.天思兼命(アメオモイガネノミコト)
4.天鈿女の命(アマノウズメノミコト)
5.天手力男命(アメタチカラオノミコト)
6.天照大御神(アマテラスオオミカミ) 【物 語】 話の舞台は、高天原(たかまのはら)という澄み渡った高い空の上話の舞台は、高天原(たかまのはら)という澄み渡った高い空の上『アマテラスオオミカミ』でした。
そして、その弟に『スサノオ』という力自慢で、いたずらが過ぎる厄介な神様がいました。 普段から散々『アマテラスオオミカミ』に迷惑を働いてきた『スサノオ』でしたが、ある時、服殿(いみはたや=機織り場)の天井から惨殺した馬を投げ入れ、中にいた服織女(はとりめ)たちをびっくりさせます。が、その時服織女(はとりめ)の一人がビックリした拍子に機織りの道具が体に刺さり亡くなってしまいます。
そして、その不浄で異常な『スサノオ』の行動に『アマテラスオオミカミ』の怒りと落胆が頂点に達し、天の岩戸(あまのいわと)という岩屋に隠れてしまい、太陽の神が岩屋に隠れてしまったことにより世の中は真っ暗闇になってしまいました。。。
このままでは、農作物も育たず、飢餓に苦しむものも出てきます。
困りはてた神々は、天安河原(あまのやすかわら)に集まり相談をしました。
そこで『アメオモイガネノミコト』という知恵の神が一計を講じます。
まず海の彼方にあるとされる常世の国(とこよのくに)に住む、長く鳴く鶏、常世長鳴鶏(とこよながなきとり)を集めて鳴かせました。 そして『アマノウズメノミコト』という踊りの上手な神様は、我を忘れ、裳の緒がをホトまでおし垂らして胸を露出させるほど神懸かったように音楽に合わせ懸命に踊りました。
それを見ていた周りの、八百万の神々も大いに沸きます。
外が余りにもにぎやかなので、『アマテラスオオミカミ』は不思議に思い、岩戸を少し開いてみました。 その時です。力の強い『アメタチカラオノミコト』は、力いっぱい岩戸を開き 、真っ暗だった世の中も明るくなり、神様たちも大喜びです。 天上界にもまた平和がもどってきました。。。 天の岩戸開きの能 まず『アマノコヤネノミコト』、『アマノフトダマノミコト』の両神が舞い出し、 知恵の神である『アメオモイガネノミコト』を呼んで岩戸を開く相談をします。 『アマノフトダマノミコト』の案は、岩戸の前に榊を植え並べ、上の枝に勾玉、中の枝に八咫鏡、下の枝に御幣を立て神殿をつくる。 岩戸正面に長鳴きの鳥を鳴かせ、『アマノフトダマノミコト』が神楽を舞う。そうすれば大御神は、岩戸を少し開け、下界をみるにちがいない。その時、強力な『アメタチカラオノミコト』の命が岩戸を左右に押し開き、元の明るい世の中に戻すという案。 さっそく、『アマノウズメノミコト』を呼び出し急テンポな舞をする。両神は岩戸に向かって祝詞を奏上する。 次に『アメオモイガネノミコト』が、『アメタチカラオノミコト』を呼び出し、岩戸を開くため力を貸してほしいと依頼する。 『アメタチカラオノミコト』は道化役なり太鼓(音楽さん)滑稽な掛け合いをする。これも一つの見所です。 神楽幕を岩戸と見立て天手力男命が幕を開けると鎮座する『アマテラスオオミカミ』が現れる。一同はひれ伏し秘文を唱えます。 「まずは岩戸のそのはじめ、隠れし神を出ださんとて、八百万の神遊び、これぞ神楽のはじめなり。御神楽の秘文に曰く。あれ、あな面白し、あな楽し、あな清やけ、オケオケと申す。一二三四五六七八九十たり百千萬よし」と唱え、『アマテラスオオミカミ』の象徴である鏡を天手力男命が取り出し全員で舞納める。 “天津神(あまつかみ) 天ノ岩戸を押し開き みよ世明らかになるぞ めでたや”と一首詠じ、元の世界に帰ったという神話劇。
2.「国譲り」
登場の神々
1.経津主命(フツヌシノミコト)
2.武甕槌命(タケミカヅチノミコト)
3.大国主命(オオクニヌシノミコト)
4.稲脊脛命(イナセハギノミコト)
5.事代主命(コトシロヌシノミコト)
6.建御名方命(タケミナカタノミコト) 物 語 『アマテラスオオミカミ』は、孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコ)に出雲の国を治めさせようと考えられ、二柱の神『タケミカヅチノミコト』と『フツヌシノミコト』に命じて、この国を治めている『オオクニヌシノミコト』に、この国を天津神の御子に譲るかどうかを問いました。
『オオクニヌシノミコト』はしばらく考える様子でしたが、もし自分の子どもたちがよいというのであれば、この国は天津神(あまつかみ)の御子(みこ)にお譲り致しますと答えました。 『オオクニヌシノミコト』には、『コトシロヌシノミコト』と『タケミナカタノミコト』という二柱の子供がいましたが、そのうち力じまんの神『タケミナカタノミコト』は、なかなか納得しません。
そこで『オオクニヌシノミコト』『コトシロヌシノミコト』の両神と力競べをすることにしました。 戦いに負けた『タケミナカタノミコト』は、父である『オオクニヌシノミコト』に従うことを約束。『タケミナカタノミコト』は信濃国に移り、信濃国(長野県)の国造りをし、出雲の国は、天津神に譲られた。。。 国譲りの能 まず『アマテラスオオミカミ』と『月読命(ツクヨミノミコト)』の両神が『アマテラスオオミカミ』のお告げを受け、天上界(高天原)と地上界(黄泉国・よみのくに)との中間に位置するとされる葦原中津国(あしはらのなかつくに)を譲るように天から降りてくるところから始まる。 両神は一旦幕の中で休息し『オオクニヌシノミコト』登場。 優雅な舞の中に家内安全、健康長寿などを祈念し福の種のプレゼントがある。 その後再び両神が登場し国譲りを『オオクニヌシノミコト』に迫るが交渉が決裂する。
そこへ『イナセハギノミコト』が仲裁に入り、話を取り持つことになり、その後、『イナセハギノミコト』は『オオクニヌシノミコト』に子供に相談すればいいと提案し、美保関(みほのせき)で釣りをしている『コトシロヌシノミコト』(通称:えびすさま)を迎えに行くように頼まれる。
『コトシロヌシノミコト』が登場し釣り遊びしているところに『オオクニヌシノミコト』が再度登場し『コトシロヌシノミコト』と相談。新しいお宮の建設を条件に、国を譲ることを決め、両神は承諾した。
しかしながら国譲りに反対の『タケミナカタノミコト』(鬼)は、両神に戦いを挑んだ。二柱を相手に『タケミナカタノミコト』は、力尽きて負け戦になり、出雲の国はめでたく献上し日本の礎が作られます。
3.「八重垣の能」
登場の神々
1.素戔嗚命(スサノオノミコト)
2.足名槌命(アシナヅチノミコト)
3.手名槌命(テナヅチノミコト)
4.奇稲田姫(クシイナダヒメ)
5.松尾明神(マツノオミョウジン)
6.室尾明神(ムロノオミョウジン)
7.木名玉明神(キナタマミョウジン)
8.八岐大蛇(ヤマタノオロチ) 物 語 『スサノオノミコト』が出雲の斐伊川の辺りにくると、娘が一人、年老いた両親と泣いていました。娘の名は『クシイナダヒメ』という美しい女性。親の名は爺で『アシナヅチノミコト』、婆が『テナヅチノミコト』といいました。
そこで『スサノオノミコト』が理由を聞くと、爺は世にも恐ろしい話を始めました。この山奥に『ヤマタノオロチ』という頭が八つもある大蛇が住み、一年に一度この里に出てきては、娘を一人ずつ食べるというのです。そのため8人もいた娘も、今では『クシイナダヒメ』だけ一人になってしまいました。
今年もまた大蛇が娘を食べにくる時期になっていました。話を聞いた命は、大蛇を退治することにしました。
そこでまず、家の周囲に垣根をつくり、そこに八つの入口をつけ、強い酒を入れた大きなカメを置きました。大蛇は勢いよく酒をガブガブと飲みはじめました。『スサノオノミコト』は大蛇にそっと忍びよると、手にした剣で大蛇めがけて切りかかりました。
その時です。気づいた大蛇は命めがけて飛びかかってきました。しかし命は、襲いかかる大蛇を次々に切り倒していきました。最後にシッポを切った時、りっぱな剣が出てきました。
大蛇が退治され、出雲の国に平和が戻ります。
大蛇のシッポから出てきた剣を『アマテラスオオミカミ』に献り、『クシイナダヒメ』と仲良くこの地で暮らしました。。。 八重垣の能 高天原を追放された『スサノオノミコト』が、出雲の国へと天降る。
そこへ『アシナヅチノミコト』と『テナヅチノミコト』の爺婆が現れ、『ヤマタノオロチ』という化け物に毎年毎年、娘が飲み取られ助けてほしいと懇願する。
『スサノオノミコト』は、大蛇を退治する代わりに娘と結婚して助けるといいます。
大蛇を退治するための手段として、八千石の酒を飲ませ酔った所を退治するというものでした。その酒は『マツノオミョウジン』という酒造りの神様に酒を造ってもらうように依頼します。
次に『クシイナダヒメ』が登場。『スサノオノミコト』と『クシイナダヒメ』は契りを結びます。
『マツノオミョウジン』が登場し酒造りの前に漫才、落語,歌などを取り入れたおもしろい話芸があり、備中神楽独特の面白さです。その後、手伝人の『ムロノオミョウジン』とキナタマミョウジンを呼び濁酒八千石を完成させます。
そして『スサノオノミコトは見事、『ヤマタノオロチ』を退治するという神話劇です。
<引用・参考> 備中神楽 北山社:https://kagurakitayama.com/
"Introducing the World of Gods: What is Shinjin Waraku Kagura in Japanese Traditional Performing Arts?" Exploring three performances in detail: "Noh of Ama-no-Iwato (The Opening of the Heavenly Rock Door) " ,"The Noh of Kuniyuzuri (Imperial Resignation)" and "The Noh of Yaegaki (Eightfold Fences)".
On Saturday, November 4th, in Niimi City, Okayama Prefecture, four local Kagura performances, led by the Mikosha Kagura that my daughter is involved in, came to a close. Interestingly, November 4th, this day, is also the UNESCO Constitution Day. Preserving local cultural heritage for future generations is crucial. However, let's first delve into what Kagura is and touch upon its origins.
INDEX
1. Shinjin Waraku" is a traditional Shinto ritual and Kagura
2. What is the origin of Kagura?
3. Folk Kagura, Satokagura
4. Let's learn about the Bittchu Kagura and Jindai Kagura, which will be performed this time!
Shinjin Waraku" is a traditional Shinto ritual and Kagura
Kagura is a traditional form of Japanese dance and music offered to the gods. It is performed during sacred ceremonies and festivals to honor the deities, pray for abundant harvests, and dispel misfortunes. In simpler terms, it is a ritual that aims to enhance vitality by inviting and pacifying the gods at the sacred place where divine spirits descend, known as "Kamukura" (神座). The ritual of Shinjin Waraku (Shinjinwaraku) is about both gods and people enjoying together to gain the divine power.
I personally learned from witnessing it that Kagura involves enjoyable entertainment aspects with laughter and action, and it allows the performers and the audience to come together, wiping away the solemn image typically associated with sacred rituals. Truly, it's the Shinjin Waraku (Shinjinwaraku) Shinto ritual! ※ Kamukura (神座): In Shinto, it refers to the place where the deity is believed to reside within the main shrine of a shrine. It is adorned with decorations like shimenawa (sacred ropes).
What is the origin of Kagura?
Mikagura (sacred Shinto music and dance) of Iwashiimizu Hachimangu Shrine: From the official Facebook page of Iwashiimizu Hachimangu Shrine. https://onl.bz/ng9kUPQ
The origin of Kagura is traced back to ancient myths and tales, often referred to as the "Ama-no-Iwato Legend" or "The Legend of the Heavenly Rock Cave." These myths are detailed in the "Kojiki," a text believed to have been written approximately 1,300 years ago. If we consider this "Ama-no-Iwato Legend" as the origin, it predates the reign of the first Emperor of Japan, Emperor Jimmu, and goes back over 2,700 years, around 660 BC according to some beliefs. However, the use of the term "Kagura" in specific rituals like the Hatsunogi Kagura of Iwashimizu Hachimangu Shrine and the Kagura performed during the Kan-date ritual at the Kamigamo Shrine dates back to the late 9th to early 10th centuries, around 1,100 years ago. During this time, Kagura was referred to as "Mikagura" (御神楽). At the main hall's dance stage (Mai-den), a sacred bonfire called "teiryō" was lit, creating a solemn atmosphere. The performers, known as maibito, would dance sacred ceremonial dances while musicians, known as gakunin, played instruments. It was a moment where gods and people could share a sacred time together, celebrating the precious life within the great nature. This ancient ritual was a way for both gods and people to share and rejoice in the sacred moments, representing a sacred ceremony where they could celebrate the precious life in nature together. Over time, this courtly Mikagura evolved into various forms of Kagura, becoming a part of local traditions and festivals performed by communities and shrines across Japan.
Folk Kagura, Satokagura The Satokagura, or folk Kagura, scattered all over Japan in every nook and cranny. Even today, many Satokagura traditions are passed down throughout the country, but the exact origins of when and how Kagura started being performed in local communities remain unclear. During its proliferation across the nation, Satokagura has reflected unique characteristics and regional traits. Here are some forms that have evolved during this process:
"Miko Kagura," where shrine maidens elegantly perform song and dance.
"Saimono Kagura," where performers wield staffs, bows, swords, and spears in their dance.
"Yutate Kagura," linked to the ritual of boiling water in a large pot in front of the deity, where shrine maidens shake bamboo grass and sprinkle water on the surroundings during a purification ritual.
"Shishi Kagura," a lion dance where the lion's head is revered as the deity.
"Izumo-ryu Kagura," characterized by a three-part structure: "Shichiza" (a direct-facing dance), "Shiki Sanban" (a dance borrowed from Noh theater), and "Kami Noh" (a mythological drama).
"Iwami Kagura," which developed by enhancing ritualistic dances based on the "Five Elements Philosophy" practiced during the Edo period, incorporating a more narrative structure.
These various forms showcase the diversity and richness of Satokagura, deeply intertwined with local customs and beliefs.
Let's learn about the Jindai Kagura and Bittchu Kagura, which will be performed this time!
In particular, in the Bittchu region, including Niimi City in the northwest of Okayama Prefecture, there was a ritual called "Jindai Kagura" dedicated by the priests to appease the souls of the guardian deities of cattle and horses, known as "Aragami-sama," which were believed to protect households, communities, and agriculture. This ritual aimed to pray for a good harvest, household safety, and overall well-being, resembling a divine ritual in nature.
However, in the late Edo period, Nishibayashi Kokkyo, a native of Takahashi City, who was studying kokugaku (Japanese classical studies) in Kyoto, incorporated elements of matured performing arts like Noh, Kyogen, and Kabuki, taking references from the Kojiki, Nihon Shoki, and Kokin Wakashu. He integrated these influences into the existing "Kojin Kagura" and created "Bittchu Kagura" consisting of three acts: "Ama-no-Iwato Biraki" (The Opening of the Heavenly Rock Cave), "Kuni Yuzuri" (The Transfer of the Land), and "Orochi Taiji" (The Subjugation of the Eight-Headed Serpent). This newly formed "Bittchu Kagura" allowed non-priests to dedicate the performance, expanding beyond the previous exclusive involvement of priests.
On February 24, 1979, "Bittchu Kagura" was designated as an Important Intangible Folk Cultural Property of Japan. It continues to be passed down to local children and is dedicated on various occasions such as weddings and building completion ceremonies.
In this event, performances from "Bitchu Kagura" and "Jindai Kagura", including "Ama-no-Iwato Biraki no Noh" (Noh Play of the Opening of the Heavenly Rock Cave), "Kuni Yuzuri no Noh" (Noh Play of the Transfer of the Land), and "Yae Kaki no Noh" (Noh Play of the Eightfold Fence), will be showcased. Let's provide detailed explanations of these three Noh plays.
1.Ama-no-Iwato Biraki (Opening of the Heavenly Rock Cave)
Featured Deities:
Amanokoyane no Mikoto
Amanofutodama no Mikoto
Ameomougane no Mikoto
Ame no Uzume no Mikoto
Ametachikarao no Mikoto
Amaterasu Omikami
Story: The stage for this tale is the clear, vast sky above known as "Takamagahara" (High Plain of Heaven), and the central figure was Amaterasu-Oomikami, the radiant sun goddess. Additionally, there was her brother, Susanoo, a boastful and mischievous deity. Despite causing annoyance to Amaterasu-Oomikami on numerous occasions, Susanoo went too far with his mischief. One day, he threw a slaughtered horse into the weaving hall's ceiling, startling the weaving maidens inside. In their surprise, one of the maidens was accidentally pierced by a weaving tool and lost her life.
The outrageous and impure actions of 'Susanoo' pushed 'Amaterasu-Oomikami' to the peak of anger and disappointment. She retreated and hid in a rock cave called the "Ama-no-Iwato" (Heavenly Rock Cave), causing the world to plunge into utter darkness, as the sun goddess was now concealed within the cave. This predicament led to crops failing to grow, and people suffering from famine. The distressed gods gathered at the heavenly riverbank, "Ama-no-Yasukawara," for a discussion.
At this critical moment, Ame-no-Omoikane-no-Mikoto, the god of wisdom, proposed a plan. First, they gathered the long-crowing roosters known as the 'Tokoyo-naginaki-tori,' believed to reside in a distant land beyond the sea in the eternal world ('Tokoyo-no-kuni'). The roosters were made to crow. Then, Ama-no-Uzume-no-Mikoto, a skilled dancer, passionately danced to the music, losing herself in the performance to the extent that she let her sash fall, exposing her chest. This lively spectacle greatly excited the myriad gods around.
In response to the excessive commotion outside, Amaterasu-Oomikami became curious and opened the rock cave slightly to take a peek. At that moment, the powerful Ametachikaraono-Mikoto forcefully opened the cave. The once pitch-dark world was illuminated, bringing immense joy to the gods. Peace was restored both in the heavenly realm and on earth...
Ama-no-Iwato Biraki no Noh" (Noh Play of the Opening of the Heavenly Rock Cave):
First, the deities Amanokoyane no Mikoto and Amanofutodama no Mikoto come forth and discuss opening the rock door by calling upon the wisdom deity, Ameomoigane no Mmikoto. Amanofutodama no Mikoto's idea is to plant sacred sakaki trees in front of the rock door and arrange sacred jewels on the upper branches, eight-span mirrors on the middle branches, and sacred streamers on the lower branches, creating a shrine. They will make a long-crying bird sing in front of the rock door while Amanofutodama no Mikoto performs a Kagura dance. This will prompt the Great Deity to slightly open the rock door and look down to the lower world. At that moment, the powerful deity Ametachikarao no Mikoto will push open the rock door to bring back the original bright world.
They immediately call upon Amanouzume no Mikoto and perform a lively dance. The two deities offer a prayer to the rock door. Next, Ameomoigane no Mikoto calls upon Ametachikarao no Mikoto and asks for assistance in opening the rock door. Ametachikarao no Mikoto takes on the role of a jester, plays the drum, and engages in amusing banter—an additional highlight of the performance.
The Kagura curtain symbolizes the rock door, and when Tenteikaraoo no Mikoto opens the curtain, Amaterasu Omikami, represented by a mirror, appears in reverence. They all prostrate and recite a secret incantation. "First, at the beginning of the rock door, to bring forth the hidden deity, the play of eight million deities—this is the beginning of Kagura. The secret incantation of the sacred Kagura says, 'How delightful, how enjoyable, how pure and clear, Oke Oke!' One, two, three, four, five, six, seven, eight, nine, ten, then a hundred, a thousand, a million—excellent!" They recite this and conclude the dance by taking out a mirror, symbolizing Amaterasu Omikami, and dancing together.
"O heavenly deity, opening the rock door of the heavens, behold, the world becomes clear and bright, what a joyous occasion," they chant a verse, portraying the mythological drama of returning to the original world.
2.Kuni Yuzuri (Opening of the Celestial Rock Door)
Featured Deities:
Futsunushi no Mikoto
Takemikazuchi no Mikoto
Okuninushi no Mikoto
Inasehagi no Mikoto
Kotoshironushi no Mikoto
Takeminakatanomi no Mikoto
Story: Amaterasu Omikami considered entrusting the rule of Izumo Province to their grandson, Ninigi no Mikoto, and instructed the two deities, Takemikazuchi no Mikoto and Futsunushi no Mikoto, to ask Okuninushi no Mikoto, who ruled the country, whether he would give this country to the child of the heavenly deity or not.
Okuninushi no Mikoto appeared to ponder for a while, but if it was for the benefit of his children, he answered that he would willingly offer this country to the child (miko) of the heavenly deity. Okuninushi no Mikoto had two children, Kotoshironushi no Mikoto and Takeminakatanomi no Mikoto. Among them, Takeminakatanomi no Mikoto, being a proud god, was not easily convinced.
Therefore, it was decided that both gods would compete in a contest of strength. Takeminakatanomi no Mikoto, who lost the battle, promised to obey his father, Okuninushi no Mikoto. Later, Takeminakatanomi no Mikoto moved to Shinano Province (Nagano Prefecture) and established the country there.
Thus, Izumo Province was entrusted to the heavenly gods... Kuni Yuzuri no Noh" (Noh Play of the Transfer of the Land): First, both Amaterasu Omikami and Tsukuyomi no Mikoto receive a divine message from AmaterasuOmikami, prompting them to descend from the heavens to the middle realm located between the celestial realm (Takamagahara) and the earthly realm (Yomi-no-Kuni), known as the reed-covered land of Ashihara-no-Nakatsukuni.
The two deities take a moment of rest behind a curtain. Okuninushi no Mikoto makes an appearance, and amid an elegant dance, prayers for household safety, good health, and longevity are offered, along with the gift of fortune seeds. Following this, both deities reappear and approach Okuninushi no Mikoto to negotiate the transfer of the land. However, the negotiation reaches an impasse.
At this point, Inasehagi no Mikoto intervenes to mediate and facilitate the conversation. Subsequently, Inasehagi no Mikoto suggests that Okuninushi no Mikoto seek advice from a child. Kotoshironushi no Mikoto (commonly known as Ebisu-sama), who is fishing at Miho-no-Seki, is requested to come and provide guidance.
Kotoshironushi no Mikoto appears and engages in fishing. Okuninushi no Mikoto reappears and discusses the matter with Kotoshironushi no Mikoto. It is proposed that in exchange for the construction of a new shrine, the land will be relinquished. Both deities agree to the proposal.
However, Takeminakata no Mikoto' (the demon), opposing the transfer of the land, challenges both deities to battle. Despite engaging both deities in combat, Takeminakata no Mikoto is eventually defeated, and the land of Izumo is joyously offered, laying the foundation for Japan's future.
3.Yae Kaki (Eightfold Fence)
Featured Deities:
Susanoo no Mikoto
Ashinazuchi no Mikoto
Tenazuchi no Mikoto
Kushinadahime
Matsuno Myojin
Murono Myojin
Kinatama Myojin
Yamata no Orochi
Story: When Susanoo no Mikoto arrived near the Hii River in Izumo, he found a daughter, a young woman named Kushinadahime, weeping with her elderly parents. The father's name was Ashinazuchi no Mikoto and the mother was Tenazuchi no Mikoto.
Upon inquiring about the reason for her tears, Susanoo no Mikoto heard a terrifying tale from the elderly couple. They spoke of a fearsome creature called Yamata no Orochi, a giant serpent with eight heads, residing deep in the mountains. Once a year, it would come to their village and devour one daughter at a time. As a result, of the eight daughters they once had, only Kushinadahime remained.
As the time for the serpent's return approached this year as well, Susanoo no Mikoto decided to defeat the creature. He first built a fence around the house with eight entrances and placed a large sake-filled jar at each entrance. The serpent eagerly consumed the sake. Susanoo-no-Mikoto then stealthily approached the serpent and attacked it with a sword.
At that moment, the serpent noticed and lunged at Susanoo no Mikoto. However, Susanoo no Mikoto, one after another, cut down the attacking serpent. When he finally severed the tail, a magnificent sword emerged.
With the defeat of the serpent, peace was restored in the land of Izumo. The sword that emerged from the serpent's tail was offered to Amaterasu Omikami, and Kushinadahime and Susanoo no Mikoto lived harmoniously in this land... Yae Kaki no Noh" (Noh Play of the Eightfold Fence):
Exiled from Takamagahara, Susanoo no Mikoto descends to the land of Izumo. There, the elderly couple Ashinazuchi no Mikoto and Tenazuchi no Mikoto appear, pleading for help year after year as their daughters are taken by the monster Yamata-no-Orochi.
Susanoo no Mikoto offers to aid them by defeating the serpent in exchange for marrying one of their daughters and rescuing her. The plan to defeat the giant snake involves intoxicating it with the sake brewed by Matsuno Myojin, the deity of brewing. Next, Kushinadahime appears, and a pact is made between her and Susanoo no Mikoto.
Matsuno Myojin arrives and engages in entertaining storytelling, rakugo, songs, and more, showcasing the unique and amusing storytelling style of Bichu Kagura. Subsequently, with the help of Muro no Myojin and Kinatamamyojin, Susanoo no Mikoto successfully prepares the turbid sake of eight thousand measures. Finally, Susanoo no Mikoto triumphs over Yamata no Orochi, concluding this mythological play.
<Quote / Reference> Bitchu Kagura, Kitayama Shrine: https://kagurakitayama.com/
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